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ラグビー コラム 2025年5月6日

【ハイライト動画あり】スクラム奮闘の「東洋大学」。アタック冴えた「早稲田大学」。関東大学春季交流大会2025

ラグビーレポート by 多羅 正崇
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5月4日(日)に東洋大学鶴ヶ島グラウンドで開催された「関東大学春季交流大会2025」Aグループの「東洋大学×早稲田大学」。

大会初戦となる東洋大(昨季リーグ戦2位)はこの日、スクラムバトルで奮闘した。

東洋大の先発フォワード8名は4年生。ファーストスクラムではPR宗形神羽、HO小泉柊人、PR酒井慶をフロントローとしてヘッドアップを誘うなど、一発目から高い集中力と強度をみせた。

ただ、この日は早稲田大のアタック精度が、東洋大のディフェンスを上回った。

早稲田大は序盤のアタックで、西南学院高(福岡)出身のCTB金子礼人が好ステップで敵陣22mへ侵入。

SH糸瀬真周とハーフ団を組んだSO服部亮太がクイックテンポで攻撃を重ねると、3フェーズ目で守備の綻びを察知した服部がキャリーを選択。切れ味鋭いランで先制トライを奪った。

ブレイクダウンを連取されてテンポアップを許し、ディフェンスの整備が遅れた東洋大。

先制を許したが、8人の4年生フォワードが会心のプレーを披露する。

被トライ後、さらに危険なタックルなどで自陣ゴール前ラインアウトのピンチを迎えた東洋大が、早稲田大のモールを2回連続で止めるビッグプレー。前半8分にはモールごとタッチに押し出し攻守交代を起こした。

しかし東洋大はこの日ラインアウトが不安定。敵陣侵入後にたびたびラインアウトのボール確保に失敗。

対照的にラインアウトを成功させる早稲田大は前半15分、幅いっぱいのアタックから右隅で倉敷高出身のWTB鈴木寛大が1対1を外で抜き去り、疾走感溢れる2本目のトライ。14点リードを奪った。

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ただ東洋大の実力が窺えたのが前半20分だ。

中盤エリアでFW間のパスからU23日本代表のLO栗原大地が突破。大きなゲインを取った直後にクロスキック。待ち構えていたのは南アフリカ出身、最上級生となった211センチのLOジュアン・ウーストハイゼンだ。

超ビッグマンをフィニッシャーとした一本が見事に決まり、東洋大のビハインドは7点(7-14)に縮まった。

しかし東洋大はラインアウトの確保失敗から相手WTB西浦岳優の独走トライを許し、さらに早稲田大CTB金子礼人のチョップタックルからWTB鈴木にスティールを決められるなど、自慢のアタックを封じられる。

すると早稲田大はデザインされた連続攻撃を繰り出し、CTB黒川和音が内返しのパスから突破。5月初旬時点ながら精度の高いアタック、ブレイクダウンワークでチーム4本目。SO服部のゴール成功で7-28と引き離した。

ただ早稲田大は得点機で50:50のプレーを選び、チャンスを失う場面もあった。

前半35分には主力LO栗田文介のキャリーを契機にモメンタムを生んだが、ゴール前で50:50のロングパス。これが乱れて攻守交代。ハーフ付近まで押し込まれ、さらに筑紫高出身の東洋大FL植田宗優にスティールを浴びた。

ここから敵陣22m内ラインアウトを成功させた東洋大が、モール後の突進でU23日本代表のFL森山海宇オスティンがストレートランで2本目。早稲田大はソフトなトライを許してリードが14点(14-28)に縮まった。

前半最後にチーム5本目を奪って35-14で前半を終えた早稲田大は、後半にディフェンスが冴えた。

後半開始直後にはNO8城央祐、LO栗田の強烈なダブルタックルが決まり反則誘発によりターンオーバー。昨季の対抗戦優勝などを支えたディフェンス力を見せつける。

だが東洋大も強豪としての十分なポテンシャルを示した。

関東大学春季交流大会2025 Aグループ(5月4日)

【ハイライト動画】東洋大学 vs. 早稲田大学

早稲田大の強みであるスクラムで力強く対抗。後半5分にはヒット後に押し込む場面もあった。早稲田大がサインプレーで崩した場面では、東海大相模高出身の金子悠隼がスティール。劣勢時に相手の流れを遮断するタフネスをみせた。

さらに東洋大は、早稲田大SH糸瀬が不行跡で後半10分にイエローになると、スクラムでプレッシャーを受けながらも左隅でWTB中山二千翔が数的有利を仕留め、後半最初のトライ。16点差(19-34)に迫った。

ここでスクラムの力関係を揺さぶったのが早稲田大のリザーブだ。U23日本代表のPR杉本安伊朗、そしてPR前田麟太朗の2人がインパクトになりスクラムの優劣に変化が起きる。

だが東洋大もCTB天羽進亮が劣勢時にドミネートタックルを放つなどして粘り、後半20分頃にはノックフォワードを誘う堅守。プロップ交替で劣勢になったと見えたスクラムも修正し、再三のプレッシャーを撥ねのけて自陣を脱出してみせる。

だが早稲田大は終始、複層的なアタックが効果的だった。

後半23分にはFWユニット背後からSO服部が抜け出してチーム6本目。後半から出場していたCTB野中健吾主将がコンバージョンを決めた。(19-42)

途中出場のトライ後に足を攣った様子の服部は途中交代となったが、ここから早稲田大はさらに2連続トライ。

東洋大は反撃に転じたかったが、後半10回に増えたペナルティが逆風に。後半26分にも中盤でノット・ロール・アウェイ。ここからHO清水健伸がモールを起点に左隅にねじ込んだ。

東洋大は終盤までディフェンスの高圧力でカウンターラックも起こした。ただ最後は早稲田大がディフェンスで粘り勝ち。両ロック(小林、栗田)らが留学生らキャリアーを封じ込め、最後は相手にクロスキックを選ばせ、ミスで終わらせた。

ピンチをしのいだ早稲田大は敵陣進攻後、途中出場のPR杉本がラインブレイク。フォローしたのはこの日80分出場した栗田。愛知・千種高出身の4年生がフィニッシュ。

早稲田大は終盤、萩原武大、杉本安伊朗、野島信太郎ら途中出場組がビッグキャリアーにタックルを突き刺して守り切り、52-19で大会2連勝を飾った。

東洋大は、相手SO服部がオプションとなる複層攻撃に苦戦したが、スクラムでは力を発揮。モールを含めディフェンスは随所で光り、5月時点ながらリーグ戦強豪としての実力を示した。

東洋大の次戦の相手は大会初戦となる明治大学。八幡山(東京)でのアウェーゲームで大会初勝利を狙う。

一方、2連勝となった早稲田大は連戦。5月11日(日)、1敗の大東文化大学を55-40で破った1勝の東海大学と激突する。

文: 多羅 正崇

多羅正崇

多羅 正崇

スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。

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