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15歳でのプレミアデビュー、16歳でのプロ契約締結はあくまでも通過点。柏レイソルU-18・長南開史がのびやかに切り開くのは輝きに満ちた新たな歴史 【NEXT TEENS FILE.】
土屋雅史コラム by 土屋 雅史柏レイソルU-18・長南開史
普段の柔らかい表情は、ひとたびピッチに立てば一変する。その有している才能に疑いの余地は寸分もない。あとはそれが適切なタイミングで、適切なステージで、存分に解き放たれていくのを楽しみに見守るだけだ。
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高円宮杯 JFA U-18 サッカープレミアリーグ 2025 EAST 第10節-1 FC東京U-18 vs. 川崎フロンターレU-18
配信期間 : 2025年6月21日午後4:50 ~
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高円宮杯 JFA U-18 サッカープレミアリーグ 2025 EAST 第10節-2 前橋育英高校 vs. 浦和レッズユース
配信期間 : 2025年6月22日午前9:50 ~
「今年は結果を出す年にして、2025年が終わるころにはトップチームの試合にたくさん絡むことができるようになりたいなと思っています。それにはもっともっとプレミアで違いを出さないとトップにも呼んでもらえないですし、今のこの状況で自分に何ができるかということを考えていきたいです」
クラブ史上最年少となる16歳でプロ契約を締結した、柏レイソルの未来を担う希望の光。長南開史は日立台のグラウンドでのびやかに、しなやかに、成長曲線を伸ばしながら、輝きに満ちた新たな歴史を記していくための道を、自分の両足で力強く切り開く。
プレミアリーグデビューは中学3年生だった昨年の6月。アウェイで戦った横浜FCユース戦のメンバーに入り、64分に途中交代でピッチへと送り出されると、「最初のワンプレーでターンできて、得意な運ぶドリブルができたのは良かったと思います」と本人も振り返ったように、いきなり積極的なターンからのドリブルで場内をどよめかせる。
ポジションはダイヤモンド型の中盤の右サイド。3歳年上の選手も含まれている相手のプレッシャーの速さに、戸惑うシーンがなかったわけではないし、決定的なシーンを演出するまでにも至らなかった。それでも初めて出場したプレミアリーグで、極めて普通にプレーしていたことだけでも驚異的だが、「最初からあまり流れが掴めなくて、守備もあまりハマらずに抜かれたところもありましたし、通用する部分もありましたけど、もっとやれると思っていました」という本人の自己採点は40点。時間にして30分あまりの“デビュー戦”に、長南はまったく納得していなかった。
「やっとスタートラインに立ったなという感じです。でも、もっともっと上を目指していますし、このチームの主力になることを目指しているので、これに満足しないで、今日も点を獲りたかったですけど、あまり前に絡めなかったので、次はどんどん前に絡んで、点を獲りたいです」。実に地に足のついた15歳の言葉が、強く記憶に残っている。
そこからの躍進は目覚ましかった。2試合で途中出場を重ね、迎えた7月の流通経済大柏高校戦では初スタメンに抜擢されると、その試合でなんとプレミア初ゴールも記録。すると後半戦はレギュラーに定着し、飛び級での選出となったU-16日本代表の一員として、U17アジアカップ予選の参加で欠場した1試合を除き、全試合でスタメン出場。デビュー戦直後に口にしていた『チームの主力』の立ち位置を、自らの力で手繰り寄せてしまう。
さらに一躍脚光を浴びたのは、今年2月に開催された『NEXT GENERATION MATCH』。U-18 Jリーグ選抜に中3としてはただ1人選出されると、スタメンフル出場を果たしたうえに、後半アディショナルタイムにはゴールまでゲット。試合後のミックスゾーンでは多くの記者に囲まれ、戸惑いつつも初々しく質問に答えていく姿も微笑ましかった。
この試合の長南で得点以上に特筆したいのは、そのポリバレントさだ。キックオフ時のポジションは左サイドバックだったが、54分の選手交代に伴って右サイドハーフにシフト。さらに70分過ぎからは左サイドハーフに移り、タイムアップの瞬間まで攻守に上下動を繰り返す。
そもそも昨シーズンの柏U-18で主に任されていたのは右サイドバック。急造チームで慣れない役割ばかりを任されたにも関わらず、3つのポジションをほぼ完璧にこなし切り、そのうえ得点まで奪ってしまいながら、試合後には「今日は左サイドバックをやってみて、意外と楽しいなと思いました」とさらり。やはり並の中3ではなかったのだ。
4月25日。柏レイソルから1つのリリースが発表された。『柏レイソルU-18 長南 開史選手 プロ契約締結 およびトップチーム登録のお知らせ』。高校1年生のプロ契約は異例中の異例だが、この人のポテンシャルと将来性を考えれば、そのクラブの決断にも頷ける。本人も今冬にはトップチームのキャンプに参加し、小さくない刺激を持ち帰ってきたようだ。
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高円宮杯 JFA U-18 サッカープレミアリーグ 2025 EAST 第10節-1 FC東京U-18 vs. 川崎フロンターレU-18
放送日:2025年6月21日(土)放送時間:午後 4時50分~
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高円宮杯 JFA U-18 サッカープレミアリーグ 2025 EAST 第10節-2 前橋育英高校 vs. 浦和レッズユース
放送日:2025年6月22日(日)放送時間:午前 9時50分~
中でも大事な気付きをもたらしてくれたのは、ベテランの域に差し掛かるチームリーダーだったという。「犬飼(智也)選手は後ろから声を出せますし、安定感も凄くあって、本当にこういう選手がプロでも長く続けられる選手なんだなと思いました」。一回り以上も年上の先輩から学んだプロサッカー選手としての在り方のイメージも、自身の中にしっかりと刻み込んでいる。
もちろんプロ契約がゴールではないことは百も承知。日々の生活が懸かったトップチームの基準を知るからこそ、長南の中に現状へ甘んじるような慢心は微塵もない。
「プロ契約できたのは嬉しいことですけど、今のままでは絶対にトップに行っても何もできないと思いますし、もっともっとプレミアで違いを出していかないと、トップの試合には出られないので、そういう意味でもう1回自分を見つめ直す機会になったかなと思います」
「特に自分には個で打開する力がまだまだないので、今のトップのポジションだったら久保藤次郎くんのプレーを見習いながら、今度はそのポジション争いの競争にも勝てるように、もっともっと頑張っていきたいです」
16歳だからとか、高校1年生だからとか、そんなことはまったく気にしていない。いつだって目指すのは、さらなる上のステージ。駆け上がる。誰もが想像できないような場所まで、必ず駆け上がってやる。柏レイソルU-18に現れた超新星。長南開史は圧倒的な輝きに満ちた新たな歴史を記していくための道を、自分の両足で力強く切り開く。
文:土屋雅史
土屋 雅史
1979年生まれ。群馬県出身。群馬県立高崎高校3年時には全国総体でベスト8に入り、大会優秀選手に選出。早稲田大学法学部を卒業後、2003年に株式会社ジェイ・スカイ・スポーツ(現ジェイ・スポーツ)へ入社し、「Foot!」ディレクターやJリーグ中継プロデューサーを歴任。2021年からフリーランスとして活動中。
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