人気ランキング

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

コラム&ブログ一覧

サッカー フットサル コラム 2025年5月22日

伝統の青黒vs気鋭の若雉!プレミア初対決in万博 ガンバ大阪ユース×ファジアーノ岡山U-18マッチプレビュー【高円宮杯プレミアリーグWEST第9節】

土屋雅史コラム by 土屋 雅史
  • Line

ガンバ大阪ユース・當野泰生

3年ぶりとなるプレミアリーグを戦っているガンバ大阪ユースが面白い。「自分たちのコンセプトの『楽しむ』というところと、ボールを持って相手を圧倒するというところはやれていると思います」と話すのは、既に6ゴールを叩き出している中積爲。破壊力抜群の攻撃力に加えて、U-20日本代表の正守護神も務める荒木琉偉を中心に、守備陣も安定感を打ち出しており、6失点はリーグ最少の数字だ。

前節のヴィッセル神戸U-18戦は90+2分に先制され、90+2分に追い付き、90+6分に決勝点を奪われるという、後半アディショナルタイムに3点が生まれた激闘に競り負け、シーズン初の連敗を喫したものの、とりわけ前半は相手を圧倒するクオリティを披露。連敗回避を期して、今節のホームゲームへ向かうことになる。

プレミア昇格2シーズン目に挑むファジアーノ岡山U-18は、ここまでやや苦戦を強いられている。開幕戦こそホームで帝京長岡高校相手に4-1と快勝を収めたが、以降はなかなか白星を手繰り寄せ切れず、8試合を消化して2勝6敗で残留圏ギリギリの10位。現在は4連敗中と勝点を積み重ねられていない。

前節はトップチームのJ1開催と同じ日に、同じJFE晴れの国スタジアムでプレミアの試合も行われるという“ダブルヘッダー”を経験。試合は名古屋グランパスU-18に2-4で敗れるも、1000人近い観衆の中で戦えたことに対し、「サポーターの皆さんの声援がポジティブに働いて、選手の足を一歩進めさせてくれたと思いますし、ファジアーノのフロントの方々の協力がなかったら、こんなことはできないので、本当に感謝しています」と語ったのは梁圭史監督。クラブにとっても歴史的な1日を経て、連敗阻止を目指す今節を戦う。

高円宮杯プレミアリーグ特集サイト

G大阪ユースの中で存在感を高めているのが、1年生の藤本祥輝だ。プレミアでは開幕からの全7試合、630分にわたってフル出場中。5節まではセンターバック、6節以降はボランチと、2つのポジションを持ち前のサッカーIQの高さできっちりこなし、チームの守備に1本の太い軸を通している。

本人は自身の特徴について「守備で予測してボールを奪って、攻撃に繋げることだったり、周りを生かすようなプレー」と捉えている様子。トップチームの鈴木徳真とネタ・ラヴィを参考にしているという、33番を背負ったハイクオリティな16歳には、今後も注目していきたい。

G大阪ユースの10番を任されている當野泰生は、2025年に懸けている。中学3年生の時点でプレミアでも4試合に出場するなど、将来を嘱望されてきたアタッカーは、高1時にも夏のクラブユース選手権決勝でゴールを記録し、チームの日本一に貢献。その才能に疑いの余地はない。

昨年はケガで半年以上の離脱を強いられ、復帰後もコンディションが上がらず、「『このまま消えていくんかな……』と葛藤していました」とのことだが、今季は第4節からスタメンを奪い取ると、第5節・帝京長岡戦、第6節・静岡学園高校戦と連続得点。前節の神戸U-18戦でもボールを持った時には、確かな期待感を放っていた。

ただ、それでも「ガンバユースの10番ってこんなんじゃないんで、唯一無二にならないとダメやと思うし、特別にならないとダメやと思うし、もっともっともっと魅力ある選手になりたいと思うし、なれると思います」と言い切るように、見据えるのはさらなる上のステージ。『ガンバユースの10番』の価値を高めるため、當野の自分と向き合う挑戦は続いていく。

岡山U-18のキャプテンを託され、中盤の中央でチームを束ねる司令塔が堤涼太朗だ。ポゼッション型のスタイルの中で、低い位置に下りてボールを捌けば、前線まで駆け上がってフィニッシュに関わることも。「上下動の動きや走る量は全然変わりました」とプレミアで経験を重ねるごとに、“量”を出せる選手へと進化しつつある。

今季から付けている背番号14には、明確な理由と意味がある。「1つはトップの田部井涼選手が好きなのと、いつもお世話になっていた田原悠帆くん(広島大)が去年は14番を付けていて、自分が苦しい時にも声を掛けてくれた先輩なので、自分が引き継ごうかなと思いました」。アカデミーの歴史のバトンも繋ぎながら、堤はチームの勝利のためにピッチを走り回る。

J SPORTS 放送情報

10番に指名されている末宗寛士郎には、5試合ぶりの勝利をもぎ取るため、エースとしての仕事が求められる。今シーズンは始動からトップチームの活動に参加し、2月には来季のトップ昇格も発表。「岡山出身の自分が先頭となって、『もっと大きな舞台でもやれるんだぞ』ということを証明することが大事なのかなと思いますし、自分がそういう立場の選手を代表して、引っ張っていきたいと思います」と地元出身者としての使命感も口にする。

前節の名古屋U-18戦でもファインゴールを叩き込んだように、非凡な得点感覚とボールを引き出す動きは一級品。今季はここまで全試合に出場して2得点にとどまっているだけに、今回のG大阪ユース戦でもとにかく結果にフォーカスし、岡山U-18へと歓喜をもたらす躍動を期待したい。

G大阪ユースと岡山U-18にとっては、これがプレミアリーグでの初顔合わせとなるが、2023年のクラブユース選手権では準決勝で対戦。その時は荒木や中島悠吾、久永虎次郎、武井遼太郎など、まだ1年生だった選手たちも出場したG大阪ユースが1-0で競り勝ち、決勝進出を引き寄せている。

この試合が終わるとリーグ戦は1か月近い中断に入り、どちらのチームもクラブユース選手権の地域予選に臨むため、良い形でそこへと突入していきたいところ。伝統の青黒か、気鋭の若雉か。両雄が激しく対峙するこちらの“万博”にも、是非注目してほしい。

ファジアーノ岡山U-18・堤涼太朗

文:土屋雅史

土屋 雅史

土屋 雅史

1979年生まれ。群馬県出身。群馬県立高崎高校3年時には全国総体でベスト8に入り、大会優秀選手に選出。早稲田大学法学部を卒業後、2003年に株式会社ジェイ・スカイ・スポーツ(現ジェイ・スポーツ)へ入社し、「Foot!」ディレクターやJリーグ中継プロデューサーを歴任。2021年からフリーランスとして活動中。

  • Line

あわせて読みたい

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

ジャンル一覧

人気ランキング(オンデマンド番組)

J SPORTSで
サッカー フットサルを応援しよう!

サッカー フットサルの放送・配信ページへ
OSZAR »