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【輪生相談】仕事で足首を骨折してしまい、自転車に乗れなくなってしまいました。ケガから復帰した選手たちはどのようなトレーニングをしていたのでしょうか?
輪生相談 by 栗村 修仕事で足首を骨折してしまい、自転車に乗れなくなってしまいました。ぎこちなく歩いたり、立ったり膝を曲げたりはできるのですが、足首自体はガチガチに固定されています。病院の先生に逆らって無理にローラー台に乗ろうなどとは思っていないのですが、この状態でもできるような、自転車に役立つトレーニングがあれば、教えて頂けないでしょうか?完治までそこそこかかると言われてしまったので、その間何もしないのはちょっと、と思ってしまってorz これまで、骨折したままレースを完走するような選手たちを番組でも観てきましたが、いざ自分が怪我してみるとどれだけトンデモない事なのかよく分かります。宜しければ、治療途中の選手たちの、(ローラー台に乗れるようになるまでの)トレーニングについても教えて下さい。
(男性 会社員)
■栗村さんからの回答
俗に「ピンチはチャンス」などと言いますが、元選手・元監督としてはここには単なる精神論以上のなにかが潜んでいる気がします。実際、ケガから復帰したとたんに強くなる選手は少なくありません。とくに昔はそういう選手をよく見ました。
まず素朴に考えてみると、ケガやトラブルにはいくつかのメリットもありそうです。たとえば、ピンチに陥ることで、健康な時には気にしなかった体の構造や回復方法などを積極的に研究するようになったり、体全体が「緊急モード」になるため各種回復能力が上がるかもしれません。また、メンタル面でも、健康のありがたみや何もない日常の価値を実感したりするのも、逆説的ですが、ある程度の不幸に見舞われないと難しそうです。
大腿骨骨折からティレーノ~アドリアティコ2020で復活勝利を遂げたマイケル・ウッズ
さて、質問者さんのケースに即してもう少し具体的にやれることを考えてみましょう。医師からの指示を厳守するのは大前提として、その上で注意すべきなのは、ケガをしたのが片足首である点ですね。自転車にとって大切な左右バランスが崩れる恐れがあります。ですから、足首への負荷が少ない全身運動の水泳などをお勧めします(もちろん、医師の許可を得ることが前提ですよ)。骨折した足首への負担を避ける形でのマシーンをつかったウェイトトレーニングもいいですね。
キーワードは「今までやったことのないトレーニング」です。新しいことをはじめると必ず発見や気づきがあります。自分のウィークポイントを見つけて強化できたり、より効率的なトレーニング方法に出会ったりするかもしれません。
それでもケガをした足の筋力が落ちることは避けられないと思いますが、それも善し悪しです。ゼロから積み上げられる貴重な機会だと思い、左右バランスに注意しながらリハビリやトレーニングをしてみてください。
僕はトレーニングはどこか街づくりに似ていると思いますが、我流だとチグハグな体(街)が出来上がってしまうことがよくあります。しかし、街全体を一旦更地にして「再開発」すれば、住みやすい街ならぬ効率の良い体を創れます。
そして、質問者さんの場合、最大の敵は質問からも読み取れる焦りかもしれません。プロ選手でもないわけですから、そんなに焦る必要はないでしょう。書いたように昔はケガ明けに強くなる選手が多かったのですが、それはメンタル的なものも含むオーバーワークやマンネリを、ケガという強制的な休養期間が癒してくれたからだと思っています。今は科学的トレーニングが浸透してオーバーワークを防ぎながらのトレーニングが可能になりましたから、ケガ明けに急に強くなる選手は相対的に減ったのでしょう。
簡単にまとめてみますね。
・怪我の回復を早める食事を研究する
・骨折した足首に負担がかからない左右対称の運動を探す
・今までやったことのない方法を取り入れてみる
・特に体幹の強化や関節の可動域拡大を意識してみる
・足首の回復に合わせて左右対称を意識しながら徐々に自転車へ移行していく
なんとなくこれが実行できたら以前よりも強くなれそうな気がしませんか。
今回のケガは、もしかするとマジメな質問者さんにとってすごく大事なチャンスかもしれません。質問者さんなら焦らずとも、乗れるようになれば自然と乗りたくなると思います。だから、焦らず取り組んでみてください。
文:栗村 修・佐藤 喬
栗村 修
中学生のときにTVで観たツール・ド・フランスに魅せられロードレースの世界へ。 17歳で高校を中退し本場フランスへロードレース留学。その後ヨーロッパのプロチームと契約するなど29歳で現役を引退するまで内外で活躍した。 引退後は国内プロチームの監督を務める一方でJ SPORTSサイクルロードレース解説者としても精力的に活動。
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